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空手の基本即奥義の型・ナイハンチの解説!図解で学ぶ空手の奥義

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空手の型の基本ナイハンチの意味
空手の基本即奥義の型のナイハンチは写真1~37の図解の37挙動を一連の流れで動作を行い、演武線は横一直線上です。

ナイハンチの型は閉足立ちから始まり移動は並足で左右に三回、その他の立ち方はナイハンチ立ちだけのシンプルなものです。

写真1~37の図解のように『見える部分』の動作はシンプルでありますが、その挙動のもととなっている『見えない部分』としての働きを体得しなければなりません。

この『見える部分』のシンプルさの中に空手の真髄としての身体操作から技法に至る『見えない部分』に全ての秘密が秘められている実戦型なのです。

武道の予備知識をまったくもたない初心者が型の『見える部分』の動作を行う事により、このことに気づくことが重要なのです。

『見えない部分』の秘密の重要さに気づくと型でとられる姿勢の中から自然に正中線や正中軸を造り上げ、そこから更に力とスピードを生み出す特殊な軸の応用や認識を体感しながら空手の奥義が会得できるのです。

こうした自己の身体の探求と、練りを実に有効に進めてくれるのがこのナイハンチであるといえるでしょう。

空手の基本即奥義の型であるナイハンチの真意を伝えるのは、難しいですが、できるだけのことは伝えたいと思っています。

ナイハンチ(ナイファンチ・鉄騎)の型 解説!

さっそくナイハンチの型の用意の姿勢から解説を始めます。

ナイハンチの型の第1挙動 用意の姿勢

ナイハンチの用意の姿勢の写真を見てください。
ナイハンチの型 用意の姿勢
閉足立ちで姿勢よくただ立っているように見えますが、これからの文章を読んでからもう一度見直なおしてみてください。

本部朝基師は、次のように解説をしています。

「この用意の姿勢は、全身力を入れ、護身の意を表す型で、下腹部に力を入れ姿勢を正しく表面を見る。」

本部朝基師の解説に正中線という言葉は使われておりませんが、「下腹部に力を入れ姿勢を正しく表面を見る」はまさに「正中線と丹田」を言葉を変えてさりげなく表現しています。

そして武道的自然体として潜在意識下にある正中線と丹田が自分の支配下にあってはじめて護身の意を表す型となるのです。

正中線は目に見えない身体の感覚が身体の中心を上下に貫くラインで、これが身体の中に出来ると、無駄な力を使わずに、バランスの良い姿勢が自分の意識下にできるため、最大限にカラダをコントロールできる能力が体得できるようになります。

これが本来の「自然体」です。

ナイハンチの用意の姿勢は「自然体」を技として体得します。

「正中線」は頭頂の百会から会陰を貫いて両足の中間を抜けて真下に向かい、身体の中から果てしない垂直方向への天と地に向かって反対方向に身体を貫く線として感覚されます。

そして、この正中線がしっかりしたものになると、それまで感じられなかった重力が重力線として意識できるようになります。

この2つの線と丹田との関わり合いで、筋力主体のパワーから重力がより強大なパワーへと変質するもととなるのです。

「勝ちに不思議の勝あり、負けに不思議の負けなし」

この言葉の意味することは、目には見えないが身体感覚としての正中線が感じられれば、それは、あなたの心身を貫く「不思議」(自然)であって、勝つときには、その自然の「理法」が働いて自然と勝つようになっているということです。

しかし、負ける時には、その「不思議」(自然)の法則から逸脱してしまっているのです。

和道流開祖の大塚師は、「和やかな気持ち」という身体感覚を空手の技術の一つとして位置づけ「力み」を出さないための「見えない部分」に一つの教えとしています。

ここで、実際の第1挙動の説明に入ります。
ナイハンチの型の第1挙動 用意の姿勢

用意の姿勢から両手をまっすぐ伸ばし正中線に沿って前から上にあげ円を描いて両脇に広げ下ろし手のひらを上に向けて重なったところで、手前に引き寄せ、手のひらを返しながら真直ぐおろし、最初の姿勢に戻します。

「武道本来の精神は平和を愛しこれを促進するのであって世の中を円満に又自分の心も円満に保つ意味を象徴するものである。だから円くなだらかに行わねばならない。」と大塚師はこの動作を意味づけています。

簡単な動作に見えますが、手だけを動かすのでなく、身体全体を使い「正中線と丹田」を意識して力を入れないでスムーズにバランスよく行なってください。

手を上げていくときに、普通では、手以外の筋肉が連動して動いていることに気づかないでしょう。

ところが手を上げながら注意深く身体を感じてみると肩、胸、背中、腰、腹、足など全身の筋肉が連動していることに気付くはずです。

この第1挙動の手の上げ下げも当然のことながら「手」だけでなく全身運動なのです。

そして、注意深く集中すると共に体は必要以上の緊張を避け、適度にリラックスして動作をすれば、筋肉はもちろん、皮膚の変化や気の流れなどの微妙な気配も感じ取ることできるはずです。

このようにして体の部分的な動きが、実は全身運動であり、「正中線」を自覚することをあなた自身の意識で常にコントロールします。

この身体感覚を身に付けていくことが、肉体的レベルを含む、それ以上の感覚を武道の術技としていくことによって、「基本即奥義」が体得できる基礎となるのです。

ナイハンチの型の第2挙動のポイントは「遠山の目附け」

用意の姿勢のまま首を回し、まず左を見て、右に回します。

首は左右共に肩の上のアゴを引いて顔の向きと両眼が正対するようにして、くれぐれも横眼づかいにならないように注意してください。

ここで重要なことは、首だけを廻すのでなく、股関節と仙腸関節の微調整で真半身が捻じれないようにします。

そして目はリラックスさせて「遠山の目附け」といわれている方法で、見るというよりは視界を広くして観えるという状態を訓練します。

宮本武蔵は、その生涯にわたる経験から会得した奥義を綴った「五輪の書」の中で「観の目強く、見の目弱し」と書き残しています。

この「観の目」=「遠山の目附け」です。

そのうえ、常日頃からこのような目付となり、どんな状況でもこれを保持できるように訓練しなければならないとして、非常に重要視しています。

心身を自然体にすると、敵対する相手の意識の中身が、白紙状態の自分の心に感応してくるのです。

そして、感応即読みとして、一瞬にして対応手段として無意識的感性が現在のすべての状況を把握してしまうのです。

私は目の奥の正中線上から目を透化するような感じで「観の目」の訓練を行っています。

用意から第1~2挙動までを説明しましたが、外見からは見て取れない内面での動きがいくらかはご理解できたでしょうか。

ナイハンチの型の第3挙動 意図する真半身の入り身と浮き

船越義珍師の空手道二十箇条に「型は正しく、実戦は別もの」という一項があります。

ナイハンチの型の第3挙動は、実際に修練を重ねていくと、「組手は型の技と違っても構わない」というような安直な解釈ではなく、やはり型を深く学ぶことによって武道の奥義が体感できるようになってくると、型の重要性がわかってきます。

型の解説に使っている写真は、本部朝基師と大塚博紀師のものです。(古いものなので写りが良くありませんが貴重な資料なのでご了承をお願いします。)

本部朝基師は昭和期を代表する空手家の一人で実戦の組手の達人として空手の型はナイハンチを最も得意とし、この型だけに特化していたといわれています。

また大塚博紀師は和道流の開祖として、沖縄空手と日本武道を融合させ新境地を開拓した名人です。

ナイハンチ第3挙動は閉足立ちから左足を右足前から一歩踏み出して交叉立ち、そこから右足を右に踏み出して真半身を崩さずにナイハンチ立ちになり、右手を手刀で右方向へ伸ばして正中線を維持して中段突き受け。
ナイハンチの型の第3挙動

【本部朝基師の解説】

右側面を見ると同時に、左足は軽く右足を越して、図の如く交叉する。これは右側よりの攻撃を、一歩踏み込んで受けると同時に、戦闘開始の準備である。

二の呼吸で、右手を右へ伸ばすと同時に、右足を右へ踏み出し、左手は握りながら脇腹に取り、充分後ろに引く。

上体の姿勢はくずさず、腰に力を入れ、足は乗馬するが如く、両足の外側から中のほうに力を絞り込むような気持ちで踏ん張る。足の間隔は約45cmで八文字型にし、目は敵を正視する。

この時、打ち伸ばした右手は、敵の攻撃を受けると同時に突き込み、敵の手を握る意味を含むため、手首より先は裏返すような動作をする。足を踏み出すは、敵を蹴上げる意味である。

と解説をしています。

大塚博紀師は、「手足ではなく体の中心を意識して足で体を運ばず体で進むようにし両足で立ち方の姿勢をとらず腰と両脚で無意識のうちに極まるように修練を積むこと」と解説しています。

第3挙動の留意点

右側面を見るのに、横眼にならないように、しっかりと顔を右側面の右肩の上にあごが乗っているところまで向けて、その上に足の中心から頭頂までを真直ぐにして、正中線をしっかりと保ち、身体に捻じれが起こらないように注意します。

そして、右側面の仮想の相手の正中線との間に正中面を創り、その正中面にそって右肩から真半身の入り身を形づくり、体が真横へと倒れる力を利用して、左足を地を蹴らずに浮かせて右足の前を交叉させて右側に踏み出すとともに、両手も肘から下が浮き上がって地面と水平になる様にします。

そのままさらに、入り身の体勢をくずさずに、左足を一歩進めてナイファンチ(ナイハンチ)立ちになると同時に、右手を正中面にそって、真直ぐ伸ばすのです。

その時、丹田が右腰の方に入り込んで、伸ばした右手に、すべての力が集約される感じで、身体全身に意識を集中させるようにします。

今回の入り身と浮きの術技は瞬間的に重さがなくなる無重力状態とも云えます。

この状態をあなた自身が自覚できる感性が出来てくると、心技体が今までとは違う次元に入り、威力が絶大なものとなるコツ(極意)を手に入れることができるでしょう。

正中線や真半身の入り身は実戦において相手を制することのできる武道的身体の基盤として必要不可欠のもので、これがが体得できれば、相手の二の手が簡単に封じることができ、武道の奥儀の「先先の先」が会得出来たということになります。

ナイハンチの型 第4挙動の解説

ナイハンチの型 第4挙動
【本部朝基師の型の解説】

「伸ばした手で掴まえて引き寄せると同時に、左肘をもって敵を突く様に図の如く動作をする。この時、肘は胸部より五寸くらい離し、上体は右向きにして、下体を崩さないように注意すること。」

その上さらに注意するべきこととして「実戦の場合は、左肘をもって突くのでなく、左拳をもって突くべきものである。型であるから体裁よく肘打ちにしているのである。」

と述べています。

前回の第3挙動のところで真半身の入り身で正中線を確保して、相手の二の手を封じた状況からの突きを想定した動作です。

本部朝基師の型の解説で、「型であるから体裁よく肘打ちにしているのである。」このことをしっかりと念頭に入れた肘打ちとしなければなりません。

従って、下半身はナイハンチ立ちを崩さずに、肘打ちのキメまでの動作は肘が正中面を真直ぐに突きの要領で移動させ小さく鋭い動きとなります。

このように、ナイハンチの立ち方を崩さずに伸ばした右腕を引き付けて左肘打ちをしています。

この立ち方を崩さずに下半身は真半身のままの体勢で行うことで正中線をしっかり確保した全身力が左肘に集められるようになります。

そこで、この肘打ちのタイミングと体捌きで突きを行えば武器化した最大限の力のある突きになります。

【和道流の大塚師「体全体の力で突くこと。」

このナイハンチ第4挙動の肘打ちの時の身体感覚で、突きを行うと大塚師の言っている『体全体の力で突く』と言われている意味が体感でき理解できるようになるでしょう。

筋力に頼らずに、身体全体が正中線上を入り身になり、最短距離を全身が突きに乗っていくような感覚です。

このように、型の正しい解釈をもとに、型を修練すれば、これが組手にもつながり型から組手へと正しい武道空手が理解できるようになります。

ナイハンチの型 第5挙動の解説

一撃必殺の攻撃技があっても、その一撃を相手が感知してしまえば、宝の持ち腐れになってしまいます。

結果を出すには相手に感知されないようにしなければなりません。

自分の攻撃を相手に気づかれずにするには心身をどのようにコントロールすればよいのでしょう?

【本部朝基師の型の解説】

本部朝基師は「拳と拳とを、右脇腹のところに左を上に重ねると、同時に左側面を見る。但しこの時姿勢を正確にして左肩が上がらないように注意しべし。これ左側面の攻撃に移る構えなり。」としています。
ナイハンチの型第5挙動
この動作は、相手から見ると脇腹が簡単に攻撃できると思わせること。

そして、そこを攻撃せざるをえない状況に追い込む術です。

戦う前に勝ちを制するために、先を取って、相手の心を崩して、攻撃をさせるために相手の心や思念の起こりを取って、相手を防戦に追い込む術技が大事なことというわけです。

まさに相手が攻撃技を仕掛ける瞬間の心の動きの頭を取り、その間を押さえて先を取るための動作です。

ナイハンチの型 第6挙動の解説 攻防一如

ナイハンチの型は横一直線上での攻防のワザを空手独自のナイハンチ立で繰り広げる非常にシンプルな型でわかり易いこともあって初心者向けの型と思われている人も多いようです。

しかし、前回までの解説でもいろいろな秘められた空手の術技術理を明らかにしましたように、間違いなく空手道奥義の型です。

最も大事なことを最初に基本の型として教示してありますが、それに対するあなたの理解の度が浅く形だけのものとして似て非なる型にしてしまえば、上達の道は閉ざされてしまいます。

ナイハンチ第6挙動は相手から見ると脇腹が簡単に攻撃できると思わせることと、そこを攻撃せざるをえない状況に追い込んで戦う前に勝ちを制するための攻防一如の技です。

相手に対しての体勢は攻めの体勢と気迫で向かうが、一ヵ所だけ、あえてスキを作り相手を誘い込み、真半身の入り身から正中線を下段払いで制するようにします。

この動作は、あくまでも相手が攻撃を仕掛けてきてから反撃するという消極的なものでなく、戦う前に既に結果を想定しているところが重要なところです。

【本部朝基師の第6挙動の解説】

「前の姿勢をくずさず、そのまま左手を膝頭の前に打ち下ろす。敵、足を以って、蹴倒さんとしたときにに、足を払う意味なるべし。」

としていますように、これで誘い込んだ相手の蹴り足を払っているのです。
ナイハンチの型第6挙動
実戦の場合、相手もいかにも攻撃する事が分かるような突きや蹴りは出してくることはないでしょう。

これをぎりぎりの間合いまで詰めて、相手の攻撃に対する虚実や動静などの心の変化を、その動きの前に察知できるような心の働きが重要なのです。

大塚博紀師は「この「コツ」を味得するまで充分練磨することが肝要で応用動作は皆この「コツ」の活用に過ぎないのである。」ということを『空手術之研究』に書かれていますが、ここに気が付けるかどうかが非常に大切なこととなります。

ナイハンチの型 第7挙動の解説

本部朝基師は「「左手をねじ上げると同時に右手を突き出す。但し、右の腕は、水の流れるが如く、肩より次第に拳を下げる。そして腕と胸との間隔は凡そ15cm位にする。この型は側面の敵を突く意なるべし。」

このように説明しています。

和道流の大塚師は「斜方向に突いても右肩が前に出ないよう腰をしっかりと据えて突く。それは腕で突かずに体で突かねばならない。

体で突く練習のために高い位置で斜方向に突くのである。」としてナイハンチ立ちをくずさずに突いてから図の位置に拳を戻しています。
ナイハンチの型第7挙動
ナイハンチの第7挙動は、この技が実践の場でそのまま使用する用の技ではなく、瞬発力による技を習得するための体の技なのです。

真半身の入り身から浮きを使っての筋力に頼らない、瞬発力による突きとして収斂します。

相手の攻撃を誘導して、防御即攻撃の空手の真髄を示す一連の動作は、あくまでも相手が攻撃を仕掛けてきてから反撃するという消極的なものではありません。

戦う前に既に結果を想定した、攻防一如の武道の極意に通ずる、ナイハンチの型の奥深さがわかっていただけるのではないでしょうか。

ナイハンチの型 第8挙動の解説 攻防の原理

今回の第8挙動では、入り身でスキなく右足から間合いを詰めるのに、両足の踏ん張りや蹴りを消すことが大事な事です。
ナイハンチの型第8挙動
この気配を消した間合いの詰めに対戦相手は、追い込まれて、こちらの仕掛けた隙に反応して技を出してくるので、簡単に防御できるわけです。

そしてそこから、正中線を確保した連続技を力にたよるのでなく、入り身と浮き身で繰り出せるように修練します。

体勢は半身の入り身であるが構えが、あえて左拳は左腰に置いたままなのでそこから上位の部分が、隙だらけのまま対戦相手に向かうため相手はその隙だらけのところを攻撃せざるをえなくなってしまうわけです。

ナイハンチの型 第9挙動

第9挙動は、相手の攻撃を誘導して、相手の攻撃をかわしていくのです。

ここが非常に重要なポイントでして、相手の攻撃があってから受け技を出すのであれば、相手のスピードある攻撃は防ぐことができません。

しかし、あらかじめ攻撃目標を限定して誘い込むわけですから、簡単に防御が可能となり、防御した瞬間には、次の攻撃が仕掛けられ、常に戦いの主導権を維持できているわけです。

あくまでも受けてから攻撃に転ずるのでなく防御即攻撃の態勢になっていることが重要です。
ナイハンチの型第9挙動
この第9挙動が正面を向くため、違う方向からからの攻撃を躱しているように思いがちですが、ナイハンチの型の対戦相手は一人です。

ナイハンチの型 第10挙動

次の第10動作の写真を見てください。
ナイハンチの型第10挙動
本部朝基師と大塚博紀師の形が違っています。

本部師はこの動作の解説を「右手は下に打ち落し、左手は手先で円を描くが如く外側より上部に打ち上げ、図のごとき姿勢となる。

この型は敵の突っ込み来るをのを右手で下に打ち落す」としています。

それに対して大塚師は、写真では右手が下段払いになっていますが、中間動作として左拳で正中線上を挙げ突きをしてからのこの形になります。

第9動作で防御して、すぐに対戦相手の二の手を封じて正中線を確保してから下段払いとなっています。

ナイハンチの型 第11挙動のポイント

そして第11挙動は本部師の解説は「左拳を以って前面の敵の顔面をなぐるが如く、充分に打ち伸ばすと同時に、右の手首に左肘を乗せる」としています。

大塚師の場合は左拳上段裏打ちから、その手を引き付けながら右手は左肘に添えて左上段懸け受けとしています。

両師とも右手を左肘に添えて左拳で攻撃技を繰り出していますが、ここも非常に大切なポイントです。

この時に両肘を締め、肩を下げることが瞬発力の源泉になるのです。
ナイハンチの型第11挙動
ここまでの一連の連続技を正中線をしっかりと捉えて入り身や浮身を駆使して力技ではなく、力を抜いた柔の中の剛の瞬発力を創り上げていく重要な部分です。

是非注意深く入念に工夫して練習しましょう。

こうした工夫が応用のとき大きな効果を発揮するのです。

大塚博紀師は、「これらの技術(極意)を言葉で伝えることは不可能であり、修行者各自が工夫と練習によって自得するしかない」と述べています。

単純な動きの基本の技の型のみを反復練習で繰り返して練習して、いくら時間をかけても「極意に至る」ことはありません。

練習量と共にその技術の質をも含めた体感を通しての心身の鍛錬の心掛けなければなりません。

ナイハンチの型の鍛錬によって、空手の気息、手、足、腰の空手技法の基本的な土台と空手力を発揮する身体がつくられていき、自分の身体を術として使う基礎が養成されるのです。

身体の運用によって、極意といわれる技へと進化させるさせるためにナイハンチの型は編成されていて、一見単純な術技に外見上は見えてしまうが練磨の果てに到達する技は、一撃必殺の極意の技そのものになっていなければなりません。

ナイハンチの型第12挙動のポイント

本部朝基師の解説は「左側面を見ると同時に、左足を以って前面を払うが如くして、足を元の位置に復す。これ前面に蹴込む意なり」と解説しています。
ナイハンチの型第12挙動
まず左側面を見る時に素早く顔を左に振り向けるのですが、この動作で真半身と入り身の体勢ができあがるので下半身が浮き身となり左足を挙げるのに体重移動をすることなしに体捌きができるのです。

この動作を「波返し」とも言います。

大塚博紀師は「この動作は足払いの動作ではなく特殊な立ち方であるから慣れないと脚に力が入り窮屈な感がする。

自然の立ち方と何ら変わらない楽な気持ちであらねばならない。

それで脚に力が入っていないか、又楽な姿勢であるかを試みるのが目的であるから裏の見える程度に足を返して出来るだけ高くしかも軽く挙げ軽く戻して元通り崩れない立ち方に帰らねばならない。

右膝を伸ばしたり体重を右脚にかけたりせず軽く早く動作して足音のしないよう軽く戻す。」と解説しています。

この「波返し」は諸先生によっていろいろな解説がなされ、その意味することが統一されていませんが、重要なことは足を挙げたときに重心を移動せずに正中線を維持して浮き身で動作することです。

ナイハンチの型第13挙動

本部朝基師の解説は「上体を左にねじって側面より突いてくるのを受ける。この時、よく腕をねじる様に教える人があるが、誤れるも甚だし、何となれば手の甲を以って受ける法無し、注意すべし」となっています。

前第12挙動の波返しをした左足を元に戻すと同時に、ナイハンチ立ちに戻り左側面からの攻撃を受ける。
ナイハンチの型第13挙動
この時の両手の形に注意をしてください。

左側面からの攻撃を受けるだけであれば、左手だけで良いわけですが、この両手を一緒に使っている点が、攻防一如を可能とする術へとなっていくのです。

そして、波返しで浮き身から沈み込んで左下腹を中心として股関節を使って、両肱で広背筋を使って全身の力で手だけでの受けにならないことが大切です。

どの型でもそうですが、ナイハンチの型の左右両手の使い方は、特に大事で左手は右手を助け、右手は左手を助ける動きとなっています。

そのため、両手を同時に操作することが多いいので、当初はやりにくさを感じると思いますが、熟練してくると力にたよらない術として、やりやすくなってきます。

次の第14挙動から第15挙動

本部朝基師「右側面を見ると同時に右足を以って、前面を拂う如くし、足を元の位置に復す。足を拂うは、前面に蹴込む意なり。」

この動作で注意を要するのが、右側面に振り返るとき、首だけで行わないようにすることです。

顔が真直ぐ右側面に正対させるためには、立ち方を崩さずに、腰をしっかりと割ることです。

そこから第12挙動の波返しを右足で行います。

続けて本部朝基師「右側面より突いてくるのを上体を捻じって受ける。右手は防護の意とす。」として前段の第13挙動の左右を反対にしての術技となります。
nihanchi14-5
本部師はナイハンチの型を最も大事な型として、特に晩年はこの型だけを演じてたようです。

そのためにナイハンチの型以外は知らないのではないかとの誤解を受けたこともあった位です。

空手の型 解説!ナイファンチ第16挙動

本部師の解説は「拳と拳とを図の如く、右脇腹の処に左を上に重ねると同時に、右側面を見る。但し、肩が上がらない様に注意する。これ次の動作の準備なり。」としています。
ナイハンチの型第16挙動
「次の動作の準備なり」とは、右側面の相手からしてみると右脇腹ががら空きになっているわけですから、そこに攻撃技を仕掛けてくる。

相手が仕掛けてきてから反応するのでなく、相手の攻撃を誘導して相手をとらえている状態でなければなりません。

相手に突かせるということがここでは大事な心身の術技性でして、突かせることが実は崩しで相手を防御態勢においこむことなのです。

この崩しは、柔らかく力を抜くと同時に身体の沈みが重要な極意性として必要不可欠の要素となります。

ナイハンチの型第17挙動

本部朝基師「重ねたる両手を、姿勢をくずさず左側面に突き出す。これ敵より突き込まれたるを受ける意、いわゆる夫婦手を型化せるたり。」と表現しています。
ナイハンチの型第17挙動
攻撃相手に対して真半身(90度の入り身)の体勢であることは、すでに相手の二の手を封じる構えであり、実戦の場合、攻撃する手はなるべく相手に近い方が有利であります。

この第17挙動の意味するものが夫婦手と呼ばれています。

両手をどのように使うかというと、前の手は前線にあって攻撃もすれば防御もします。

即ち、突くか、あるいは相手の攻撃を受け外すと同時にすぐ突き出す。

その時、後ろの手は予備としておくが、前の手で間に合わないときには、後ろの手で攻撃あるいは防御もするのです。

このようにして組手に夫婦手を応用してみると、その効果の大きいことがわかるでしょう。

前の第16挙動で、相手を崩すことによって、その攻撃をゆるめさせ、入り身の体勢で、相手の攻撃してくる位置や崩れ具合、速さと正中線の関係で、左右どちらの手で攻防を行うのかの状況判断が大事な要素となります。

本部師の絶妙ともいえる空手の術理術技は全てが、この型から編み出されたものなのです。

本部師が実戦の時の重要な構えとして「夫婦手」はこのナイハンチの型の中に伝承されているものであり、本部師の独創のものではありません。

この夫婦手は構えの時だけでなく、実戦における千変万化の動作のさなかでも、常に影の如く連動してこそ、自由な精緻巧妙な攻防の術技が可能となるのです。

ナイハンチの型第18挙動

この第18挙動から型の後半になります。

本部朝基師は「右手を右脇腹に強く引くと同時に左手を上に捻じりながら手を図の如く開く。左手で敵を掴む意なるべし。」と解説しています。
ナイハンチの型第18挙動
大塚博紀師は「急激に行わず緩やかに柔らかく然も強く体の全力で行う。腕の力のみで行うと左右両腕の力がとれないために体も曲がり胸を張って恰(あたか)も深呼吸する格好になりがちであるから注意すること。」としています。

相手に手首を掴まれたと想定すると、手を急に振りほどこうとすると相手の抵抗を受けてしまうので、相手の気づかぬようにするための工夫がこの動作では必要となります。

ナイファンチ(ナイハンチ)の型は、ここから第4挙動から第17挙動の左右を逆にした動作を行って、最後は、右手・右足を引き寄せて閉足立ちとなって、用意の姿勢にもどり終わります。

ナイハンチの型第19挙動

ナイハンチの型第19挙動
下半身はナイハンチ立ちを崩さずに、肘打ちのキメまでの動作は肘が正中面を真直ぐに突きの要領で移動させ小さく鋭い動きとなります。
このように、ナイハンチの立ち方を崩さずに伸ばした左腕を引き付けて右肘打ち。

この立ち方を崩さずに下半身は真半身のままの体勢で行うことで正中線をしっかり確保した全身力が右肘に集められるようになります。

ナイハンチの型第20挙動

ナイハンチの型第20挙動
この動作は、相手から見ると脇腹が簡単に攻撃できると思わせること。
そして、そこを攻撃せざるをえない状況に追い込む術です。

ナイハンチの型第21挙動

ナイハンチの型第21挙動
「前の姿勢をくずさず、そのまま右手を膝頭の前に打ち下ろす。敵、足を以って、蹴倒さんとしたときにに、足を払う意味なるべし。」
としていますように、これで誘い込んだ相手の蹴り足を払っているのです。

ナイハンチの型第22挙動

ナイハンチの型第22挙動
本部朝基師は「「右手をねじ上げると同時に左手を突き出す。但し、左の腕は、水の流れるが如く、肩より次第に拳を下げる。そして腕と胸との間隔は凡そ15cm位にする。この型は側面の敵を突く意なるべし。」

と説明しています。

和道流の大塚師は「斜方向に突いても左肩が前に出ないよう腰をしっかりと据えて突く。それは腕で突かずに体で突かねばならない。
体で突く練習のために高い位置で斜方向に突くのである。」としてナイハンチ立ちをくずさずに突いてから図の位置に拳を戻しています。
この技は実践の場でそのまま使用する用の技ではなく、瞬発力による技を習得するための体の技なのです。

ナイハンチの型第23挙動

ナイハンチの型第23挙動
この挙動では、入り身でスキなく左足から間合いを詰めるのに、両足の踏ん張りや蹴りを消すことが大事な事です。
この気配を消した間合いの詰めに対戦相手は、追い込まれて、こちらの仕掛けた隙に反応して技を出してくるので、簡単に防御できるわけです。

ナイハンチの型第24挙動

ナイハンチの型第24挙動
相手の攻撃を誘導して、相手の攻撃をかわしていくのです。
ここが非常に重要なポイントでして、相手の攻撃があってから受け技を出すのであれば、相手のスピードある攻撃は防ぐことができません。
しかし、あらかじめ攻撃目標を限定して誘い込むわけですから、簡単に防御が可能となり、防御した瞬間には、次の攻撃が仕掛けられ、常に戦いの主導権を維持できているわけです。

ナイハンチの型第25挙動

ナイハンチの型第25挙動
本部師はこの動作の解説を「左手は下に打ち落し、右手は手先で円を描くが如く外側より上部に打ち上げ、図のごとき姿勢となる。
この型は敵の突っ込み来るをのを左手で下に打ち落す」としています。
それに対して大塚師は、写真では左手が下段払いになっていますが、中間動作として右拳で正中線上を挙げ突きをしてからのこの形になります。
第24動作で防御して、すぐに対戦相手の二の手を封じて正中線を確保してから下段払いとなっています。

ナイハンチの型第26挙動

ナイハンチの型第26挙動
本部師の解説は「右拳を以って前面の敵の顔面をなぐるが如く、充分に打ち伸ばすと同時に、左の手首に右肘を乗せる」としています。
大塚師の場合は右拳上段裏打ちから、その手を引き付けながら左手は右肘に添えて右上段懸け受けとしています。

ナイハンチの型第27挙動

ナイハンチの型第27挙動
本部朝基師の解説は「右側面を見ると同時に、右足を以って前面を払うが如くして、足を元の位置に復す。これ前面に蹴込む意なり」と解説しています。
まず右側面を見る時に素早く顔を右に振り向けるのですが、この動作で真半身と入り身の体勢ができあがるので下半身が浮き身となり右足を挙げるのに体重移動をすることなしに体捌きができるのです。

ナイハンチの型第28挙動

ナイハンチの型第28挙動
前第25挙動の波返しをした右足を元に戻すと同時に、ナイハンチ立ちに戻り右側面からの攻撃を受ける。

ナイハンチの型第29挙動

ナイハンチの型第29挙動
本部朝基師「左側面を見ると同時に左足を以って、前面を拂う如くし、足を元の位置に復す。足を拂うは、前面に蹴込む意なり。」

この動作で注意を要するのが、左側面に振り返るとき、首だけで行わないようにすることです。
顔が真直ぐ左側面に正対させるためには、立ち方を崩さずに、腰をしっかりと割ることです。
そこから第27挙動の波返しを左足で行います。

ナイハンチの型第30挙動

ナイハンチの型第30挙動
続けて左側面より突いてくるのを上体を捻じって受ける。左手は防護の意とす。」として前段の第28挙動の左右を反対にしての術技となります。

ナイハンチの型第31挙動

ナイハンチの型第31挙動
本部師の解説は「拳と拳とを図の如く、左脇腹の処に右を上に重ねると同時に、左側面を見る。但し、肩が上がらない様に注意する。これ次の動作の準備なり。」としています。
「次の動作の準備なり」とは、左側面の相手からしてみると左脇腹ががら空きになっているわけですから、そこに攻撃技を仕掛けてくる。
相手が仕掛けてきてから反応するのでなく、相手の攻撃を誘導して相手をとらえている状態でなければなりません。

ナイハンチの型第32挙動

ナイハンチの型第32挙動
本部朝基師「重ねたる両手を、姿勢をくずさず右側面に突き出す。これ敵より突き込まれたるを受ける意、いわゆる夫婦手を型化せるたり。」と表現しています。

ナイハンチの型第33挙動

ナイハンチの型第33挙動
右足を引くと同時に正面に顔を戻しながら最初の姿勢にもどる。